子どもの進路を考えるとき、多くの親が「大学進学」を考えてしまいがちです。
けれども、「大学」だけが唯一の道ではありません。
もちろん、子どもが将来の夢を叶えるのに「大卒」が必須ならば、全力で応援したいのが親心。
ただ、
「なんとなく大学」
「大卒の方がお給料が高いから」
という理由で大学進学を考えていませんか?
現実として、両親が揃っていても大学費用を事前に貯めるのは厳しい家庭も多いです。ましてやシングルマザーにとって、その道のりはさらに険しいもの。
だからこそ「子どもの将来」について、親子で真剣に話し合ってみませんか。
この記事を読めば、「子どもの未来の選択肢」が広がるはずです。
「大卒」が当たり前と思われがちな日本の現状
日本では「大学→高学歴→将来安定」というイメージがあり、親世代もその考えを子どもに引き継ぎがちです。けれども、今の時代、自分の子どもの将来に、大学進学は本当に必須でしょうか?
よくある親の思い込み
子どもと一緒に考えたい7つの問い
親子で、これらの問いに向き合うことが大切です。
「大学に行くことのメリット・デメリット」
「大学以外の選択肢」
を理解したうえで答えを出してみては?
大学進学のメリット・デメリット
メリット
デメリット
大学以外の選択肢
- 専門学校:美容・看護・調理・ITなど、実践的スキルを学んで即戦力になれる。
- 資格取得:医療やITなど、資格がキャリアを支える分野も多い。
- 就職+進学:まず働き、経験を積みながら通信教育や夜間大学で学ぶ道もある。
- 海外留学やワーキングホリデー:グローバルな視野を広げ、自分の可能性を試す選択肢。
お金の面から見る大学進学
シングルマザーが貯金だけで大学資金を準備するのは、現実的にとても難しいのが実情です。
ただ、親子でよく話しあい、「大学進学」を決めたのなら、親として子どもの夢を全力で応援したいですよね。それなら計画的にお金の準備を始めましょう。
私は娘の大学費用を15年かけて投資で準備しました。
子どもの年齢にもよりますが、大学資金を準備するなら「投資」も併せて検討しましょう。
参考記事: 【子どもの学費はどう準備する?シングルマザー看護師が実践した方法】
大学に行かずに就職した場合の資産形成例
もし子どもが大学に進学せず、高校卒業後すぐに就職した場合、収入と将来の資産形成はどう変わるのでしょうか。
初任給の差
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、2024年時点の平均初任給は以下の通りです。
- 高卒:197,500円/月
- 大卒:248,300円/月
初任給の時点では大卒の方が約5万円高い水準です。
ただし、高卒の場合は4年間早く働き始められるメリットがあります。
投資での資産形成シミュレーション
仮に、高卒で就職し、18歳から毎月5万円を投資信託で積み立て、6%利回り(複利)で運用した場合と、大卒で22歳から「同じ条件」で積み立てを始めた場合を比較してみましょう。
- 高卒(18歳から60歳まで42年間):約 1億1,135万円
- 大卒(22歳から60歳まで38年間):約 8,721万円
→ その差はなんと 約2,414万円。
つまり、給与の初期差はあるものの、資産形成を「いつから始められるか」が大きな違いを生むことが分かります。
ちなみに、「毎月5万円なんて積立できないよ。。。」という場合でも「毎月3万円」で充分な資産形成ができるのでご安心を。
毎月3万円積立 6%利回り(複利)
・高卒(18歳から60歳までの42年間):約 6,810万円
・大卒(22歳から60歳までの38年間):約 5,233万円
参考: 金融庁「つみたてシミュレーター」
この結果をみると、積立額に違いはあっても、60歳時点で、高卒の方が大卒よりも資産額は多い結果です。
初任給は大卒の方が高いですが、資産形成の上では逆転しています。資産形成には「収入」だけでなく「資産形成のスタート時期」が大切である、という結果ですね。
進学を選ぶ理由が「将来、大卒の方がお金に困らないから」という理由だったとしたら、この結果は、大学に行かずに就職する選択肢にも大きな可能性があることを示しています。
まとめ:親子で納得できる進路を選ぶ
私は、大学進学を肯定したり否定したいわけではありません。実際、私自身は親に学費を出してもらい、4年制の大学を卒業しています。
大切なのは、親子でしっかりと話し合い、納得した進路を選ぶこと。
大学資金を準備できずに苦しいのに、無理に奨学金を組んでまで進学する必要はありません。
大卒でなくても、将来お金に困らない人生を送れるだけの資産形成は充分に可能です。
ただし、もし大学進学を選ぶのなら、しっかりと計画を立て、可能な限り投資なども組み合わせて資金を準備してほしいと思います。
どの選択肢を選んでも、親子で十分に話し合って出した答えが「正解」です。
私たちの選んだ道に自信を持てるよう、子どもの未来について真剣に考えたいですね。